ジェリー・パーカーとローガン・ハイネ遺伝子管理局長はゆっくりと庭園を歩いて俗世に向かっていた。
「人捜しは進展があったか?」
とハイネが尋ねた。ジェリーは頷いた。
「少しだけ・・・」
彼は簡単に説明した。ライサンダー・セイヤーズの協力でドーム内からはアクセス出来ないエロサイトの一つで問題の運転手と思われる人物を発見したこと。その人物はマツウラと名乗り、そのサイトの管理人をしていたこと。ライサンダーが探りを入れるとマツウラは他にもサイト運営をしており、そちらでは「牧童頭」と名乗り、精力剤などの怪しげな薬品の通信販売をしていること。そのサイトはドーム内からでも見ることが出来るので、ジェリーはライサンダーに指示を出して利用者の通信欄で書き込みをしてもらい、自分の存在を管理人にアピールしている最中であること、等だ。
「エロサイト?」
「若い綺麗な男を斡旋する売春サイトです。」
「表向きは薬を販売して、その客の中から何人かを選んで裏商売に誘い込む訳だな。」
「局長、よくわかっておられる。」
「その男がラムゼイの第2の運転手である確証は掴めたのか?」
「ネット上の出会いですから、確証は無理です。やはり本人に会ってみないとね・・・。しかし、彼の顔を知っている連中は刑務所の中だし、俺は外に出られない。」
「囚人に協力させることは不可能なのかね?」
「減刑を条件にするとしても、信用出来る人間はいませんね。連中を部下にしていた俺が言うのもなんだけど・・・。彼等には俺ほどもラムゼイ博士に対する忠誠心はありませんから。」
庭園の出口に近づくと通行人が増えてきた。遺伝子管理局と中央研究所は庭園から出ると左右に分かれることになる。
「さっきは楽しかったです。」
とジェリーは局長に別れの挨拶をした。
「ほんの一瞬ですが、子供時代を思い出しました。博士とシェイと俺の3人で野原で遊んだ記憶です。意外でしょうけど・・・」
「そうかな?」
局長が遠くを見る目をした。
「サタジット・ラムジーは息子を愛していた。君にその面影を求めていたのかも知れないな。」
彼はジェリーを見た。
「ジェシー・ガーを捕まえたいのだろう?」
「勿論。」
「外に出るか?」
「えっ?」
ジェリーは思わず足を止めた。局長は立ち止まらずに遺伝子管理局に向かって歩きながら言った。
「コロニー人に相談してみよう。」
「それは・・・」
ジェリーは小さな声で呟いた。
「この俺を信用してくれているってことですか・・・」
「人捜しは進展があったか?」
とハイネが尋ねた。ジェリーは頷いた。
「少しだけ・・・」
彼は簡単に説明した。ライサンダー・セイヤーズの協力でドーム内からはアクセス出来ないエロサイトの一つで問題の運転手と思われる人物を発見したこと。その人物はマツウラと名乗り、そのサイトの管理人をしていたこと。ライサンダーが探りを入れるとマツウラは他にもサイト運営をしており、そちらでは「牧童頭」と名乗り、精力剤などの怪しげな薬品の通信販売をしていること。そのサイトはドーム内からでも見ることが出来るので、ジェリーはライサンダーに指示を出して利用者の通信欄で書き込みをしてもらい、自分の存在を管理人にアピールしている最中であること、等だ。
「エロサイト?」
「若い綺麗な男を斡旋する売春サイトです。」
「表向きは薬を販売して、その客の中から何人かを選んで裏商売に誘い込む訳だな。」
「局長、よくわかっておられる。」
「その男がラムゼイの第2の運転手である確証は掴めたのか?」
「ネット上の出会いですから、確証は無理です。やはり本人に会ってみないとね・・・。しかし、彼の顔を知っている連中は刑務所の中だし、俺は外に出られない。」
「囚人に協力させることは不可能なのかね?」
「減刑を条件にするとしても、信用出来る人間はいませんね。連中を部下にしていた俺が言うのもなんだけど・・・。彼等には俺ほどもラムゼイ博士に対する忠誠心はありませんから。」
庭園の出口に近づくと通行人が増えてきた。遺伝子管理局と中央研究所は庭園から出ると左右に分かれることになる。
「さっきは楽しかったです。」
とジェリーは局長に別れの挨拶をした。
「ほんの一瞬ですが、子供時代を思い出しました。博士とシェイと俺の3人で野原で遊んだ記憶です。意外でしょうけど・・・」
「そうかな?」
局長が遠くを見る目をした。
「サタジット・ラムジーは息子を愛していた。君にその面影を求めていたのかも知れないな。」
彼はジェリーを見た。
「ジェシー・ガーを捕まえたいのだろう?」
「勿論。」
「外に出るか?」
「えっ?」
ジェリーは思わず足を止めた。局長は立ち止まらずに遺伝子管理局に向かって歩きながら言った。
「コロニー人に相談してみよう。」
「それは・・・」
ジェリーは小さな声で呟いた。
「この俺を信用してくれているってことですか・・・」