ダリルは端末を出した。数字をいくつか打ち、アキ・サルバトーレ・ドーマーに見せた。
「ジェリー・パーカーの番号はこれで良かったか?」
アキが覗くと、電話番号の下に地図が表示され、ジェリーの皮膚下から発信されている電波が点滅していた。ジェリーは葬列を横切って向こう側を遠ざかって行くところだった。アキは頷いた。
「ジェリーは裏門を目指していますね。」
裏門の存在は支局で既に確認済みだった。勿論、そこにも支局の職員が配置されている。
「君は車であちらを走って探してくれ。私は葬列の向こうへ行ってみる。」
アキには安全圏に居て欲しい。ダリルは保安課員を車中に戻し、自身は葬列の後尾に突入した。
ダークスーツはこんな場合、浮いて見えずに便利だ。ダリルは観光客を押し分け、苦労して列を横切った。ジェリーが芝生の上を歩いて行くのが見えた。ダリルは彼に駆け寄った。
「どこへ行くんだ、ジェリー?」
単独行動は許可していない。ダリルの声にジェリーが振り返った。そして、落胆した表情を見せた。
「おまえ、1人か? アキはどうした?」
「車に返した。あの運転手は武芸の心得があると見えた。アキと2人でいれば敵が襲ってきても防戦出来るだろう。」
「保安課員にボディガードかよ・・・そのうちボディガードにも用心棒が必要になるぞ。」
ジェリーは皮肉を言って、再び歩き始めた。 ダリルは彼に並んだ。
「単独行動は禁止だ。敵がここで接触して来なければ、諦めて支局に帰るんだ。今日はローズタウンに泊まろう。」
「ホテルで何をするんだ? 俺はただ飯を食って寝る為にドームから出て来たんじゃない。」
ジェリーはそこで足を止めて、後ろを振り返った。
「葬列が止まったな・・・」
ダリルも振り返った。先刻のバンド付き葬列が丘の手前で止まり、埋葬の準備に取りかかろうとしていた。
「あれはああ言う手順なのか?」
「私も知らないよ。初めて見たのだから。」
観光客が取り囲んだので、墓穴のそばで何が行われようとしているのか、ダリル達には見えなくなった。
ジェリーはまた歩き出し、ダリルもついて行った。歩きながらアキに連絡を取ると、保安課員は車でゆっくりと墓園内を移動中だった。
「葬式はさっきのバンド付きの団体だけみたいです。でも墓参りに来ている人が何人かいます。」
「不自然な行動でない限りは無視して良いだろう。ぐるりと一周してどこかで落ち合おう。」
「ジェリー・パーカーの番号はこれで良かったか?」
アキが覗くと、電話番号の下に地図が表示され、ジェリーの皮膚下から発信されている電波が点滅していた。ジェリーは葬列を横切って向こう側を遠ざかって行くところだった。アキは頷いた。
「ジェリーは裏門を目指していますね。」
裏門の存在は支局で既に確認済みだった。勿論、そこにも支局の職員が配置されている。
「君は車であちらを走って探してくれ。私は葬列の向こうへ行ってみる。」
アキには安全圏に居て欲しい。ダリルは保安課員を車中に戻し、自身は葬列の後尾に突入した。
ダークスーツはこんな場合、浮いて見えずに便利だ。ダリルは観光客を押し分け、苦労して列を横切った。ジェリーが芝生の上を歩いて行くのが見えた。ダリルは彼に駆け寄った。
「どこへ行くんだ、ジェリー?」
単独行動は許可していない。ダリルの声にジェリーが振り返った。そして、落胆した表情を見せた。
「おまえ、1人か? アキはどうした?」
「車に返した。あの運転手は武芸の心得があると見えた。アキと2人でいれば敵が襲ってきても防戦出来るだろう。」
「保安課員にボディガードかよ・・・そのうちボディガードにも用心棒が必要になるぞ。」
ジェリーは皮肉を言って、再び歩き始めた。 ダリルは彼に並んだ。
「単独行動は禁止だ。敵がここで接触して来なければ、諦めて支局に帰るんだ。今日はローズタウンに泊まろう。」
「ホテルで何をするんだ? 俺はただ飯を食って寝る為にドームから出て来たんじゃない。」
ジェリーはそこで足を止めて、後ろを振り返った。
「葬列が止まったな・・・」
ダリルも振り返った。先刻のバンド付き葬列が丘の手前で止まり、埋葬の準備に取りかかろうとしていた。
「あれはああ言う手順なのか?」
「私も知らないよ。初めて見たのだから。」
観光客が取り囲んだので、墓穴のそばで何が行われようとしているのか、ダリル達には見えなくなった。
ジェリーはまた歩き出し、ダリルもついて行った。歩きながらアキに連絡を取ると、保安課員は車でゆっくりと墓園内を移動中だった。
「葬式はさっきのバンド付きの団体だけみたいです。でも墓参りに来ている人が何人かいます。」
「不自然な行動でない限りは無視して良いだろう。ぐるりと一周してどこかで落ち合おう。」