2017年6月10日土曜日

Break 7

登場人物紹介 6

ニコラス・ケンウッド

アメリカ・ドーム長官。
人間の表皮細胞の老化を研究している遺伝子学者。
真面目で人情に厚い人。
サンテシマ・ルイス・リンが長官職に就いた頃、彼も地球に派遣された。執政官として働いていたが、リンがポール・レイン・ドーマーを愛人にして他のドーマー達にも虐待を為すことを見かね、地球人類復活委員会に通報した。リン更迭5年後に自身が長官に任命される。以後2期に渡って長官職を務め3期目に入った。(1期は5地球年)
大部分の執政官が10年で地球を去るのが常識なので、彼は異例である。
身内の話は一切せず、宇宙に出かける時も仕事で限られることから、故郷のコロニーに既に親族はいないと思われる。
ドーマー達を「うちの子供達」と呼ぶことからも分かるように、ドーム内の地球人達を年齢に関係なく我が子の様に愛している。
ローガン・ハイネ・ドーマーに対しても、ハイネの方が親ほど年上であるにも関わらず自身と同等と見ている。2人は親友で、ハイネは彼にはリンから助けられた恩義もあって逆らわない。
ダリルがドーム帰還後も度々トラブルを起こすことに頭を抱えているが、決して見放さない。
ライサンダー・セイヤーズに対しては、彼がドーマーでないことを念頭に置き、普通の地球人として敬語を使って語りかける。
地球に女性が誕生しなかった理由を発見し、マザーコンピュータの改良をすると言う大偉業を成し遂げたが、当人はとても謙虚である。
文人だが、ダリルが速攻で繰り出す鉄拳を難なく素手で受け止める意外な特技がある。


ラナ・ゴーン

アメリカ・ドーム副長官。
血液の研究をしている遺伝子学者。
2人の成人した娘と孫が数人いるが、外観は地球人で言えば40歳程度に見える。
(年齢不詳だが、ダリルは60歳前後と見ている。)
地球と言う惑星に夢中になっていたので、夫に愛想を尽かされ離婚した。(本人談)
男性社会の地球に長居したので、男性同士の恋愛にも慣れっこになっている。
地球赴任前に視察団の一員としてアメリカ・ドーム南米分室を訪問した際、幼いクロエル・ドーマーと出会い、その可愛らしさの虜になった。養子縁組を希望したが地球人保護法によって却下され、その後は成人したクロエルと再会する迄画像通信でコンタクトを保ってきた。クロエルは彼女を母親として認識し、「おっかさん」と呼ぶ。
可愛い「息子」のリクエストに応えてカエル料理に挑戦するも、苦手なカエルを生きたまま購入して逃がしてしまい、クロエルに捕まえてもらった。料理はクロエルがしてくれた。
「親」と言う共通の立場からダリルと意気投合し、地球人保護法に抵触しないよう用心深く彼と交際中。ダリルは彼女との関係をもっと進めたいが、彼女はいつも寸止めで躱す。


ロアルド・ゴメス

アメリカ・ドーム保安課長。元宇宙軍特殊部隊少佐。
軍隊時代に負傷して療養中に見た地球の映画に魅了され、退役してドームに再就職した。
筋力強化訓練を受けているので、他のコロニー人より地球の重力が苦にならない。
着任してまだ数年しか経っていないが、部下のドーマー達を子供の様に可愛がっている。
マザーコンピュータのセキュリティをダリルが罪の意識もなく破ってしまうことに頭を痛める。
ダリルの速攻的鉄拳を躱せるが、ケンウッド長官の様に受け止めることは出来ない。


アナトリー・ギル

アメリカ・ドーム勤務の遺伝子学者。
ポール・レイン・ドーマーの美貌に心底惹かれており、ファンクラブの幹部を自負しているが、時々身勝手な言動を取ってポールを独占しようとするので、仲間に少々迷惑がられている。ポールは彼のベッドに誘われると着衣のままで寝る。
ポールがダリル逮捕後、ダリルに夢中になっているのに嫉妬して、ダリルにちょっかいを出したところ、鉄拳をくらって鼻骨を折られた。それ以来、ダリルが恐くて近づけない。
お勤め(検体採取)の時にダリルの当番を引き当ててしまい、助っ人に同僚のナカイ博士を呼んだが、ナカイがエスカレートしてダリルに素手で触れてしまった為ダリルの反撃に遭う。事件の調査委員会でギルはナカイに不利な証言をして同僚を更迭に追い込んでしまった。
その後はファンクラブでもあまり発言力がなくなり、大人しくしている。


メイ・カーティス

アメリカ・ドーム勤務の遺伝子学者。
ラナ・ゴーンやJJと共に血液から採取されるゲノムの解読研究をしている。
大人しい性格で目立たないが、JJとは親友になった。JJとポールの仲を取り持つセッティングを何度か行っている。
宇宙での家族の話をしないので、独身と思われる。年齢は40代後半。(地球人が見ると30代前半に見える。)
同じ研究室で助手として働くジェリー・パーカーに好意を持っているが、地球人保護法に阻まれ、彼女の方から告白出来ないでいた。ローガン・ハイネ・ドーマーが彼女の気持ちに気が付き、ジェリーにそれとなく示唆する。