2017年6月11日日曜日

Break 9

登場人物紹介 8


アーシュラ・R・L・フラネリー

大統領ハロルド・フラネリーの母。
強力な接触テレパス能力を持ち、夫で元ドーマーのポール・フラネリーからドームの秘密を全て読み取ってしまった為に、彼女の悲劇は始まった。
地球上の全ての女性がコロニー人のクローンであること、娘フランシスもクローンであること、次男がフランシスと取り替えられてドーマーにされたことも全て知っている。
秘密の重要性を理解しつつもドームに次男を返してくれと訴え続けた。(娘のことは実子同様愛している。)
トーラス野生動物保護団体の理事の1人だったので、ダリル・セイヤーズ・ドーマーがコンタクトを求めて来た折に、次男の消息を知る機会だと思い、承諾した。


アメリア・ドッティ

アーシュラの弟の娘で、海運王と呼ばれる富豪アルバート・ドッティの愛妻。
出産のためにドームに収容されている時にプールで溺れかけ、ダリルとポーレット・ゴダートに救助された。それ以来、2人を命の恩人として各方面で援助している。
ポールのことは、アーシュラから「フランシスと双子で訳あって生まれてすぐに他家に養子に出された従兄」と聞かされている。


ハロルド・フラネリー

アメリカ大統領。
大統領の義務としてドームの秘密を就任時に教えられているが、アーシュラの能力を遺伝しているので、彼にとっては既知の情報であった。
国民が女性の誕生が富裕層に限られていることに疑問を抱いていることを察しており、ドームにクローン技術を開示せよと要求している。「女性の量産」を考えているのだが、それは女性を「物」扱いすることにつながると考える地球人類復活委員会は許可しない。
弟のポールとは職務上手を繋いでいるが、個人的には苦手に思っている。
ダリルには本音を話せる様だ。


ポーレット・ゴダート

アフリカ系の美しい女性。
父親は著名な社会人類学者。
ポーレットは最初の結婚相手が白人だったので父親の反対に遭い、親と縁を切った。
しかし夫は彼女が出産でドームに収容中に事故死。生まれた男児は経済的な理由からドームの手で養子に出された。
アメリア・ドッティの事故を発見してダリルと共に救助したことから、アメリアから後に職を紹介される。
職場でバイトをしていたライサンダー・セイヤーズと恋愛して、彼の身の上を全て承知の上で結婚した。
妊娠を機に幼馴染みの産科医ダン・マコーリーに健康維持の相談を始めるが、それは悲劇を呼び込んだ。


フランシス・フラネリー

ハロルドの妹。ポールの取り替え子。
遺伝子的にもポールとハロルドの肉親となるクローン女性。
ポールの存在を早い時期から受け容れて育った。父親の危篤時にポールと初対面を果たす。ポールは一目で彼女が好きになった様子。
夫と2人の子供を航空機事故で失って以来独り身だったが、ライサンダーが妻を失ったために、彼の娘の養育を希望する。



ポール・フラネリー

元ドーマー。
ポール、ハロルド、フランシスの父親。元上院議員。
ドーム維持班庶務課で物資購入の仕事をしていた。外に出る機会が多く、アーシュラと出会い、恋に落ちた。政治に関する野心があり、ドームは彼を政界に送り込むことを考え、またアーシュラの能力を持つ子供をドーマーとして得ることも念頭に置いて、彼を外に出した。
妻の能力とドームの援助を受けて政界進出を果たし、成功する。
次男を取り戻したいアーシュラには、諦めるよう説得するが成功しなかった。
妻がダリルに協力する見返りにポールとの面会を果たした時も、元ドーマーらしく感情に囚われなかったが、危篤の際に次男の面会をドームに求めた。
しかし、ポールは彼に触れて、彼が本当は息子ではなく憧れのローガン・ハイネ・ドーマーに会いたかったのだと悟り、呆れ果てた。