ネピア・ドーマーは朝一にハイネ局長にセイヤーズの希望を伝えた。ハイネの返事は、午後2時に面会可能、だった。用件の内容を伝えても、特に関心がない様で、局長は日課に勤しんでいた。そしてネピアは彼自身の仕事が急に忙しくなり、結局のところ、局長の返事を部下に伝えることをお昼迄忘れてしまった。
思い出したのは、ハイネが長官執務室での打ち合わせ会に出かけて小一時間も経ってからだった。
しまった、局長に叱られるぞ・・・
ネピアにしては慌ててしまった。しかし、第2秘書のキンスキーに己の失敗を知られたくなかったので、キンスキーが先に昼食に出かけるのを待ってから、電話を掛けた。セイヤーズにではなく、上司のポール・レイン・ドーマーにだった。セイヤーズに嫌がらせをしたのではなく、ライサンダーと娘の件に関して、もう一人の父親であるレインも関係しているだろうと推測したからだ。セイヤーズは身勝手な男だが、息子の将来に関して、レインを無視したりはしないだろう、とネピアは彼なりに評価したのだ。
電話の画面にレインが現れた。背後にぼんやりと大勢の人が映り込んでいるので、食堂だとわかった。
「レインです。」
電話を掛けてきたのがネピアであることに、ちょっと驚いていた。セイヤーズの上司だから、セイヤーズが局長に面会を申し込んだことは知っている筈だ。だから返事はセイヤーズがもらうものと思っていたのだ。
「ネピアだ。局長がセイヤーズと面会される。午後2時に、彼を局長執務室に連れてきなさい。」
「午後2時に・・・」
レインは確認の為に復唱した。そして、少し間を置いて尋ねた。
「俺も?」
「セイヤーズを外に出すか否か、彼の上司の君も関係してくるだろう?」
「ああ・・はいっ。」
レインは直ぐにネピアの言葉を理解した。個人的用件であるが、セイヤーズの外出はドームの問題に関わってくるし、レインもライサンダーの父親だ。ネピアは彼の出席も必要だと判断したのだ。
「セイヤーズを午後2時に連れて行きます。」
「よろしく頼みます。」
電話を切って、ネピア・ドーマーはホッと胸を撫で下ろした。どうやら局長に叱られずに済みそうだ。
思い出したのは、ハイネが長官執務室での打ち合わせ会に出かけて小一時間も経ってからだった。
しまった、局長に叱られるぞ・・・
ネピアにしては慌ててしまった。しかし、第2秘書のキンスキーに己の失敗を知られたくなかったので、キンスキーが先に昼食に出かけるのを待ってから、電話を掛けた。セイヤーズにではなく、上司のポール・レイン・ドーマーにだった。セイヤーズに嫌がらせをしたのではなく、ライサンダーと娘の件に関して、もう一人の父親であるレインも関係しているだろうと推測したからだ。セイヤーズは身勝手な男だが、息子の将来に関して、レインを無視したりはしないだろう、とネピアは彼なりに評価したのだ。
電話の画面にレインが現れた。背後にぼんやりと大勢の人が映り込んでいるので、食堂だとわかった。
「レインです。」
電話を掛けてきたのがネピアであることに、ちょっと驚いていた。セイヤーズの上司だから、セイヤーズが局長に面会を申し込んだことは知っている筈だ。だから返事はセイヤーズがもらうものと思っていたのだ。
「ネピアだ。局長がセイヤーズと面会される。午後2時に、彼を局長執務室に連れてきなさい。」
「午後2時に・・・」
レインは確認の為に復唱した。そして、少し間を置いて尋ねた。
「俺も?」
「セイヤーズを外に出すか否か、彼の上司の君も関係してくるだろう?」
「ああ・・はいっ。」
レインは直ぐにネピアの言葉を理解した。個人的用件であるが、セイヤーズの外出はドームの問題に関わってくるし、レインもライサンダーの父親だ。ネピアは彼の出席も必要だと判断したのだ。
「セイヤーズを午後2時に連れて行きます。」
「よろしく頼みます。」
電話を切って、ネピア・ドーマーはホッと胸を撫で下ろした。どうやら局長に叱られずに済みそうだ。