2018年8月29日水曜日

4X’s 2 4 - 2

 ケンウッドとゴーンは送迎ゲートで宇宙からの来客を出迎えた。ソフィア・ケプラー議員は女性秘書を連れていた。秘書も訪問申請をしていたので、ドームに入れたのだが、その顔を見て、ケンウッドの顔面が蒼白になったことにゴーンは気が付いた。小声で名前を呼んで彼の注意を現実に引き戻した。

「長官、大丈夫ですか?」
「え? ああ・・・」

 ケンウッドは消毒が済んだ手荷物を返してもらっている2人の女性を呆然と見つめていた。ゴーンは彼がどちらの女性に驚いたのだろうと考え、議員の来訪は予め知っていたのであるから、秘書が原因だな、と思い至った。
 議員と秘書は同年輩と思えた。どちらも意思が強そうに見える。ゴーンはちらりと端末で秘書の氏名を確認した。ヴァレリア・サントス。経歴を見る時間はなかった。
 2人の客が、長官と副長官の側へやって来た。 ケンウッドが人懐こい顔に珍しく無理やりと言った雰囲気の微笑みを浮かべた。

「南北アメリカ大陸ドームへようこそ。」
「こんにちは、ケンウッド長官。」

 ケプラー議員は業務用の微笑みで返し、彼等は握手した。それから、彼女がゴーンを見たので、ケンウッドは副長官を紹介した。女性達は握手して、それから議員が秘書を振り返って紹介した。

「私設秘書のヴァレリア・サントスです。この度は彼女にも許可を頂いて、感謝しています。秘書がいるのといないのとでは、私の仕事は進み具合が違いますから。」
「よろしく、ミズ・サントス。」

 ケンウッドが用心深く差し出した手を、サントスがしっかりと握りしめた。

「こちらこそ、長官。」

 彼女はケンウッドの目を覗き込む様に見つめて微笑んだ。ケンウッドがやや退いた感じがした、とゴーンは思いながら、彼女もサントスの握手に応じた。それから今後のスケジュールを考えながら尋ねた。

「到着されて早々ににこんな質問をするのもなんですが・・・」

 彼女は精一杯お愛想笑いを続けた。

「先ずはお昼になさいます? それとも見学を優先されますか?」