「女性執政官達は誰か仲間の誕生日が近づくと、その誕生日を迎える女性に尋ねるのです。『どのドーマーが欲しいか?』とね。そして返答をもらうと、彼女達は『お勤め』の候補リストを遺伝子管理局に出します。勿論、『お勤め』の出頭命令を出すのは遺伝子管理局長です。」
「つまり、局長はそのリストの意味を知っている訳だな?」
「そうです。先代からの申し送りで知っています。」
「それで、誕生日の女性執政官に必ず指名したドーマーが籤引きで当たるのか?」
「女性執政官の誕生日には、女性執政官達しか籤に参加出来ないのです。」
「ぬあに?」
「誕生日の女性が外しても、彼女の希望のドーマーを引き当てた女性が譲ってくれます。」
「それじゃ、『当たり』のドーマーをもらった女性は何をするんだ?」
「それはその女性次第ですよ。一緒に食事をしたり、一緒にジムで運動をしたり・・・アパートに連れ込んでも良いのです。」
「嘘だろ? 女性アパートは男子禁制だぞ!」
「女性達全員が許可したら、かまわないそうです。」
「うっそーーー!」
ケンウッド達は開いた口が塞がらなかった。何故女性だけがそんな役得を持っているのだ? ここが女性が生まれない惑星だからか?
「アパートに連れ込んで何をするんだ?」
既に男達は興奮状態になりかけていた。想像しているのだろう。ローガン・ハイネは詳細を語るのを避けた。
「それは人それぞれですから・・・想像なさっていることもするでしょうねぇ・・・」
ケンウッドは額に手をやった。
「それは・・・地球人保護法に思いっきり違反している・・・」
「ドーマーは虐待を受けたと思っていませんから、告訴しません。ですから、違反行為になりません。また、他人に見られることもありませんから、やはり違反行為になりません。」
パーシバルが答えを聞くのが恐いと言いたげな表情で、恐る恐る尋ねた。
「キーラの母親はお誕生日ドーマーに君を指名したのか?」
「指名したのは、マーサ・セドウィックだけではありませんでしたよ。シュウ副委員長もいましたし、当時の女性執政官の8割は私を指名しました。」
ハイネはとんでもないことをサラリと言ってのけた。
「8割? 」
ケンウッドが思わず確認した。
「8割とは、約20名はいるだろう? 昔も現在も女性の人数はほぼ同じだ。」
ええ、とハイネは平然と認めた。
「今でも年に20回は呼ばれます。」
「呼ばれる・・・? ちょっと待て、ハイネ、君は『お勤め』のないドーマーだろう?」
「私はそんなことを言った覚えは1度もありませんよ。貴方方男性執政官達が勝手にそう思い込んでいるだけです。」
呆れて物が言えない、とはこのことだ。ローガン・ハイネはちゃんと中央研究所でドーマー本来の仕事をしていたのだ。考えれば、執政官が提出する「お勤め」リストを審査して不適格なドーマーを外すのは、遺伝子管理局長の仕事だ。ハイネは自身の名前が男性執政官が作成したリストに書かれたら刎ねてしまうだけだ。恐らく、彼が女性の相手をしていたので、歴代の局長も彼の名をリストから削除していたのだ。
「それで・・・」
気を取り直したヤマザキが話を振り出しに戻した。
「それで、君はマーサ・セドウィックのお誕生日ドーマーをした時に、失敗したのか?」
ハイネはジロリと彼を見た。
「マーサは誕生日以外にも私を『お勤め』に呼んだのです。私の記憶では5回です。私は彼女に愛されていると思い込んでしまいました。悔しいことにね。自惚れていたのでしょう、私は。反対に彼女は私のものだと思い込んだのですよ。ところがある日、彼女はいきなり宇宙へ還ってしまったのです。」
「つまり、局長はそのリストの意味を知っている訳だな?」
「そうです。先代からの申し送りで知っています。」
「それで、誕生日の女性執政官に必ず指名したドーマーが籤引きで当たるのか?」
「女性執政官の誕生日には、女性執政官達しか籤に参加出来ないのです。」
「ぬあに?」
「誕生日の女性が外しても、彼女の希望のドーマーを引き当てた女性が譲ってくれます。」
「それじゃ、『当たり』のドーマーをもらった女性は何をするんだ?」
「それはその女性次第ですよ。一緒に食事をしたり、一緒にジムで運動をしたり・・・アパートに連れ込んでも良いのです。」
「嘘だろ? 女性アパートは男子禁制だぞ!」
「女性達全員が許可したら、かまわないそうです。」
「うっそーーー!」
ケンウッド達は開いた口が塞がらなかった。何故女性だけがそんな役得を持っているのだ? ここが女性が生まれない惑星だからか?
「アパートに連れ込んで何をするんだ?」
既に男達は興奮状態になりかけていた。想像しているのだろう。ローガン・ハイネは詳細を語るのを避けた。
「それは人それぞれですから・・・想像なさっていることもするでしょうねぇ・・・」
ケンウッドは額に手をやった。
「それは・・・地球人保護法に思いっきり違反している・・・」
「ドーマーは虐待を受けたと思っていませんから、告訴しません。ですから、違反行為になりません。また、他人に見られることもありませんから、やはり違反行為になりません。」
パーシバルが答えを聞くのが恐いと言いたげな表情で、恐る恐る尋ねた。
「キーラの母親はお誕生日ドーマーに君を指名したのか?」
「指名したのは、マーサ・セドウィックだけではありませんでしたよ。シュウ副委員長もいましたし、当時の女性執政官の8割は私を指名しました。」
ハイネはとんでもないことをサラリと言ってのけた。
「8割? 」
ケンウッドが思わず確認した。
「8割とは、約20名はいるだろう? 昔も現在も女性の人数はほぼ同じだ。」
ええ、とハイネは平然と認めた。
「今でも年に20回は呼ばれます。」
「呼ばれる・・・? ちょっと待て、ハイネ、君は『お勤め』のないドーマーだろう?」
「私はそんなことを言った覚えは1度もありませんよ。貴方方男性執政官達が勝手にそう思い込んでいるだけです。」
呆れて物が言えない、とはこのことだ。ローガン・ハイネはちゃんと中央研究所でドーマー本来の仕事をしていたのだ。考えれば、執政官が提出する「お勤め」リストを審査して不適格なドーマーを外すのは、遺伝子管理局長の仕事だ。ハイネは自身の名前が男性執政官が作成したリストに書かれたら刎ねてしまうだけだ。恐らく、彼が女性の相手をしていたので、歴代の局長も彼の名をリストから削除していたのだ。
「それで・・・」
気を取り直したヤマザキが話を振り出しに戻した。
「それで、君はマーサ・セドウィックのお誕生日ドーマーをした時に、失敗したのか?」
ハイネはジロリと彼を見た。
「マーサは誕生日以外にも私を『お勤め』に呼んだのです。私の記憶では5回です。私は彼女に愛されていると思い込んでしまいました。悔しいことにね。自惚れていたのでしょう、私は。反対に彼女は私のものだと思い込んだのですよ。ところがある日、彼女はいきなり宇宙へ還ってしまったのです。」