女装大会の結果は、優勝者が医療区に新しく配属された若い執政官の「シンデレラ姫」、準優勝が「旅客航宙船のフロントレディ」に扮したシステムエンジニアの執政官、特別賞が「不思議の国のアリス」で大好評だった保安課のゴメス少佐となった。ケンウッドはハイジの姿のままで特設会場のステージで表彰式を行い、祭りの締めの挨拶を行った。
祭りが終わった。観光客やメディアがゲートから出て行く。入場の際に退出する順番も決められてチケットに入力されているので、時間通りに出なければ超過料金を求められる。
ヘンリー・パーシバルとキーラ・セドウィックは地球人類復活委員会の会員なので時間超過しても構わないが、子供達は一般客だ。
「空港ホテルに部屋を予約してあるの。」
とキーラがアイダに言った。
「子供達に地球を見せたいので、後3日滞在するわ。もし貴女に時間が出来たら連絡して頂戴。子供達だけで観光させて私は残るから。」
「わかったわ。多分明後日は空くと思う。シンディと時間を調整して外に出てみる。」
キーラとアイダが女同士のデートの約束を取り付けた。パーシバルが彼女達のそばに来た。
「シュリーが何処へ行ったかわかるか、キーラ。もうすぐ子供達を外へ出す順番が回って来るんだが・・・」
父親の後ろにはローガンとショシャナがいた。コロニーでは大人ぶって反抗もする彼等だが、地球は厳しい規則が多くて親に従っているのだ。キーラはステージの方を見た。
「局長のそばに行ったんじゃない?」
「ハイネは向こう側で爺さんドーマーの団体と一緒にいたよ。」
「エイブやグレゴリーが来ているのね。」
キーラは懐かしそうな顔をした。
「彼等にも時間があれば会いたかったわ。」
ショシャナが端末を出した。
「シュリーに電話してみるわ。」
「僕等の端末は地球じゃ使えないよ。」
とローガン。それを聞いて、アイダが自分の端末を出した。素早く遺伝子管理局長に電話を掛けて、シュラミスが彼の所にいないか尋ねた。少女は祖父の元にはいなかった。
戻ってきたらお仕置きよ、とキーラが呟いた所へ、シュラミスがケンウッドと共に現れた。何処へ行っていたんだと訊く父親に彼女は悪びれもせずに答えた。
「ステージ脇でニコ小父さんのお仕事を見ていたの。」
「表彰式を見学していたんだよ。」
とケンウッド。出来れば女装した姿ではなく普段の姿を見て欲しかったのだが。
パーシバルがホテルの名前を告げて、彼等は別れの挨拶をした。ショシャナはヤマザキにピアノコンクールの日付を告げた。その日に月に行けるかどうかわからなかったが、ヤマザキは都合がつけば行くよと約束した。ケンウッドは子供達と抱擁を交わし、娘達からキスしてもらった。そしてハイネがその場に来ないことを残念に思った。
ドーマー達は祭りの後片付けに忙しく、誰も観光客の見送りには来なかったのだ。
祭りが終わった。観光客やメディアがゲートから出て行く。入場の際に退出する順番も決められてチケットに入力されているので、時間通りに出なければ超過料金を求められる。
ヘンリー・パーシバルとキーラ・セドウィックは地球人類復活委員会の会員なので時間超過しても構わないが、子供達は一般客だ。
「空港ホテルに部屋を予約してあるの。」
とキーラがアイダに言った。
「子供達に地球を見せたいので、後3日滞在するわ。もし貴女に時間が出来たら連絡して頂戴。子供達だけで観光させて私は残るから。」
「わかったわ。多分明後日は空くと思う。シンディと時間を調整して外に出てみる。」
キーラとアイダが女同士のデートの約束を取り付けた。パーシバルが彼女達のそばに来た。
「シュリーが何処へ行ったかわかるか、キーラ。もうすぐ子供達を外へ出す順番が回って来るんだが・・・」
父親の後ろにはローガンとショシャナがいた。コロニーでは大人ぶって反抗もする彼等だが、地球は厳しい規則が多くて親に従っているのだ。キーラはステージの方を見た。
「局長のそばに行ったんじゃない?」
「ハイネは向こう側で爺さんドーマーの団体と一緒にいたよ。」
「エイブやグレゴリーが来ているのね。」
キーラは懐かしそうな顔をした。
「彼等にも時間があれば会いたかったわ。」
ショシャナが端末を出した。
「シュリーに電話してみるわ。」
「僕等の端末は地球じゃ使えないよ。」
とローガン。それを聞いて、アイダが自分の端末を出した。素早く遺伝子管理局長に電話を掛けて、シュラミスが彼の所にいないか尋ねた。少女は祖父の元にはいなかった。
戻ってきたらお仕置きよ、とキーラが呟いた所へ、シュラミスがケンウッドと共に現れた。何処へ行っていたんだと訊く父親に彼女は悪びれもせずに答えた。
「ステージ脇でニコ小父さんのお仕事を見ていたの。」
「表彰式を見学していたんだよ。」
とケンウッド。出来れば女装した姿ではなく普段の姿を見て欲しかったのだが。
パーシバルがホテルの名前を告げて、彼等は別れの挨拶をした。ショシャナはヤマザキにピアノコンクールの日付を告げた。その日に月に行けるかどうかわからなかったが、ヤマザキは都合がつけば行くよと約束した。ケンウッドは子供達と抱擁を交わし、娘達からキスしてもらった。そしてハイネがその場に来ないことを残念に思った。
ドーマー達は祭りの後片付けに忙しく、誰も観光客の見送りには来なかったのだ。