遅い昼食の後、ダリル・セイヤーズ・ドーマーはセント・アイブス出張所の会議室で報告書を製作していた。
ラムゼイ博士がリンゼイと名乗ってトーラス野生動物保護団体の会員になっていたこと。
ラムゼイ博士を現場に連れて来たのは当該団体の理事ビューフォードであったこと。
ラムゼイ博士がDNA鑑定により指名手配されていたコロニー人サタジット・ラムジーであったこと。(リュック・ニュカネンが確認)
ラムゼイ博士がクローン製造に用いた卵子はシェイと呼ばれるコロニー人女性のものであったこと。
シェイの所在は未だ不明。
ラムゼイ博士の秘書ジェリー・パーカー(逮捕済み)は博士の言によると古代エジプト人のミイラから製造したクローンであること。(未確認)
ラムゼイ博士逮捕は当人の死亡により失敗。
ラムゼイ博士の死亡原因となった重力サスペンダーの事故は部品の故障又は何者かの細工と疑われる。(セント・アイブス警察が鑑定中)
大雑把に以上の内容でまとめ、ドームへ送信した。
ラムゼイの死に関して、ダリルはもっと調べたかったのだが、この先は警察の仕事だとスカボロ刑事からもリュック・ニュカネンからも強く主張されて断念した。
「生きているメーカーだったら、いくらでも取り調べてもらって結構。しかし、死んだメーカーの捜査は警察の領分だからな」とスカボロに釘を刺された。
報告書を書いてしまうと、することがなくなった。
クロエル・ドーマーは出張所の簡易バスルームでシャワーを浴びて綺麗になり、今回の出動初日に手に入れた派手な服装に着替えた。すっかりレゲエの兄ちゃんになったが、昼食を終えるとくたびれたのか、休憩室で昼寝だ。
ダリルは暫くネットでセント・アイブスの紹介記事を眺めていたが、ふと思いついて階下へ降りた。ニュカネンに出かけると告げてくれと職員に言うと、所長が慌てて部屋から出て来た。
「何処へ行くつもりだ?」
「ロイヤル・ダルトン・ホテルだ。」
「何をしに?」
「ラムゼイとの面会を仲介してくれた人に会うんだよ。不幸な結果になったことを謝罪しなければならない。」
「一人では出かけるな。ラムゼイが死んだ直後だ。残党がいて仕返しをされると困る。」
「では誰かつけてくれるのか?」
「クロエルは?」
「お昼寝中。」
結局ニュカネン自らが護衛且つ監視で付いて来た。勿論、アッシー君もしてくれた。
ダリルはフロントでアーシュラ・R・L・フラネリーに面会を申し込んだ。相手の名前を聞いてニュカネンがギョッとするのがわかったが、何故大統領の母親と知り合いなのか説明はしなかった。
アーシュラは部屋に帰って来ており、面会は一人だけ、と昨日と同じ条件で許可した。
当然ながらダリル一人で部屋に入った。ニュカネンは豪華なリビングでお茶の接待だ。
アーシュラの秘書は、ダリルの連れが昨日のハンサムな南米人でなかったのでがっかりした様子だ。 ニュカネンも充分美男子なのだが、魅力に欠けるらしい・・・。
昨日と同じ部屋で、同じ窓際にアーシュラは入り口に背を向けて立っていた。
ダリルはリンゼイ博士の死に対するお悔やみを述べた。
「穏便にことを運ぶつもりでしたが、失敗しました。貴女を騒ぎに巻き込んだことをお詫びします。」
ダリルが謝罪すると、アーシュラは手で「もういい」と合図した。それで彼は質問をしてみた。
ラムゼイ博士がリンゼイと名乗ってトーラス野生動物保護団体の会員になっていたこと。
ラムゼイ博士を現場に連れて来たのは当該団体の理事ビューフォードであったこと。
ラムゼイ博士がDNA鑑定により指名手配されていたコロニー人サタジット・ラムジーであったこと。(リュック・ニュカネンが確認)
ラムゼイ博士がクローン製造に用いた卵子はシェイと呼ばれるコロニー人女性のものであったこと。
シェイの所在は未だ不明。
ラムゼイ博士の秘書ジェリー・パーカー(逮捕済み)は博士の言によると古代エジプト人のミイラから製造したクローンであること。(未確認)
ラムゼイ博士逮捕は当人の死亡により失敗。
ラムゼイ博士の死亡原因となった重力サスペンダーの事故は部品の故障又は何者かの細工と疑われる。(セント・アイブス警察が鑑定中)
大雑把に以上の内容でまとめ、ドームへ送信した。
ラムゼイの死に関して、ダリルはもっと調べたかったのだが、この先は警察の仕事だとスカボロ刑事からもリュック・ニュカネンからも強く主張されて断念した。
「生きているメーカーだったら、いくらでも取り調べてもらって結構。しかし、死んだメーカーの捜査は警察の領分だからな」とスカボロに釘を刺された。
報告書を書いてしまうと、することがなくなった。
クロエル・ドーマーは出張所の簡易バスルームでシャワーを浴びて綺麗になり、今回の出動初日に手に入れた派手な服装に着替えた。すっかりレゲエの兄ちゃんになったが、昼食を終えるとくたびれたのか、休憩室で昼寝だ。
ダリルは暫くネットでセント・アイブスの紹介記事を眺めていたが、ふと思いついて階下へ降りた。ニュカネンに出かけると告げてくれと職員に言うと、所長が慌てて部屋から出て来た。
「何処へ行くつもりだ?」
「ロイヤル・ダルトン・ホテルだ。」
「何をしに?」
「ラムゼイとの面会を仲介してくれた人に会うんだよ。不幸な結果になったことを謝罪しなければならない。」
「一人では出かけるな。ラムゼイが死んだ直後だ。残党がいて仕返しをされると困る。」
「では誰かつけてくれるのか?」
「クロエルは?」
「お昼寝中。」
結局ニュカネン自らが護衛且つ監視で付いて来た。勿論、アッシー君もしてくれた。
ダリルはフロントでアーシュラ・R・L・フラネリーに面会を申し込んだ。相手の名前を聞いてニュカネンがギョッとするのがわかったが、何故大統領の母親と知り合いなのか説明はしなかった。
アーシュラは部屋に帰って来ており、面会は一人だけ、と昨日と同じ条件で許可した。
当然ながらダリル一人で部屋に入った。ニュカネンは豪華なリビングでお茶の接待だ。
アーシュラの秘書は、ダリルの連れが昨日のハンサムな南米人でなかったのでがっかりした様子だ。 ニュカネンも充分美男子なのだが、魅力に欠けるらしい・・・。
昨日と同じ部屋で、同じ窓際にアーシュラは入り口に背を向けて立っていた。
ダリルはリンゼイ博士の死に対するお悔やみを述べた。
「穏便にことを運ぶつもりでしたが、失敗しました。貴女を騒ぎに巻き込んだことをお詫びします。」
ダリルが謝罪すると、アーシュラは手で「もういい」と合図した。それで彼は質問をしてみた。