2018年3月5日月曜日

Break 17

 地球上ではテロ事件が後を絶たない。事件の報道を聞くたびに胸が痛む。正常な神経を持っている人は皆同じだろうと思う。自分は他人より虐げられていると思う人が起こすのだろうか。しかし裕福な家に育った人でも暴挙に出る。なぜ自分の意見を言う為に他人の血を流すのか理解出来ない。

 ドームもテロの標的にされてしまった、と言うのが今回のお話。
 相手は、地球人の為にお金を使うのは無駄だ、地球人なんか絶滅させてしまって、資源をコロニーがいただこう、と言う人々だ。彼等は決して貧しくもなく、虐げられてもいない。ただ自分達の税金を衰えた母星に費やすのが嫌なのだ。

 脱落者は、人類愛から脱落したテロリスト、順調に歩んでいた人生を突然奪われてしまった若い副長官、日常の生活に疎外感と不満を抱いており、それをテロリストに利用されてしまった女性ドーマー・・・最後にチラリとサタジット・ラムジーを思わせる台詞もあり・・・。

 ポール・レイン・ドーマーがハイネを「俺の転機に何時も入院している」と文句を言うところがある。偶然だとわかっていても、彼は局長に甘えたいので文句を言うのだ。
彼は本編で息子ライサンダーにハイネのことを「彼のことは尊敬しているし、好きだが」と言い、「俺はどちらかと言えば実務経験のある先輩の方に親しみを覚える。」と言っている。これはなんでも相談出来る相手が先輩だと言っているのであって、ハイネに信頼を置いていないと言う意味ではない。局長はダリルが言う様に「雲の上の人」なので、気安く甘えられない。だが本当に彼を守ってくれるのは局長や長官であることをポールは理解している。だから2人切りになった時、ポールは彼の方から局長に話しかける。心の底では局長とお話したいからだ。逃げてしまった恋人のことを。