「ところで長官・・・」
ヴェルティエンがちょっと躊躇いながら話しかけてきた。
「昨日の爆発事故をドーマーに口外してはならぬと言うお達しでしたが、どうも研究助手のドーマーから情報が漏れた様で・・・」
「え?」
ケンウッドは反射的にロッシーニを見た。ロッシーニが首を振った。私じゃないですよ・・・。
「何人かのドーマーから問い合わせが来ています。誰が亡くなったのか、怪我人はどんな状態なのか・・・」
「何と答えた?」
「その原稿をさっき作成したところでした。」
ヴェルティエンがケンウッドのコンピュータに原稿を送って来た。開くと、それは短いメッセージだった。
ーー昨日、中央研究所の生化学フロアで薬品の爆発事故があり、ハン・ジュアン博士、リック・カールソン研究員、チャーリー・ドゥーカス研究員の3名が亡くなった。また10数名の重軽傷者が出た。アメリカ・ドームは亡くなった3名の研究者に深い哀悼の意を示すと共に、地球人類復活に生命を捧げてくれた彼等に感謝し、本日午後3時遺体を宇宙に帰す。ドーマーの見送りは禁じないが送迎フロアのみに場所を限定する。見送れない人も彼等の冥福を祈ってくれるようお願いする。また、負傷した人々の一日も早い回復を祈る。
どこにもテロや犯罪を連想させる言葉は書かれていなかった。実際、まだ事故の真相はわかっていないのだ。
ケンウッドはヴェルティエンに頷いて見せ、自らの署名を入れた。ヴェルティエンはそれをドーマー達の端末に一斉送信した。
カレン・ドナヒュー軍曹は大人しく座っていた。もっとも何もしていないのではなく、彼女自身の端末に報告書を入れていた。恐らく負傷者の容体とドーム内部の様子を書いているのだろう。
ヴェルティエンがちょっと躊躇いながら話しかけてきた。
「昨日の爆発事故をドーマーに口外してはならぬと言うお達しでしたが、どうも研究助手のドーマーから情報が漏れた様で・・・」
「え?」
ケンウッドは反射的にロッシーニを見た。ロッシーニが首を振った。私じゃないですよ・・・。
「何人かのドーマーから問い合わせが来ています。誰が亡くなったのか、怪我人はどんな状態なのか・・・」
「何と答えた?」
「その原稿をさっき作成したところでした。」
ヴェルティエンがケンウッドのコンピュータに原稿を送って来た。開くと、それは短いメッセージだった。
ーー昨日、中央研究所の生化学フロアで薬品の爆発事故があり、ハン・ジュアン博士、リック・カールソン研究員、チャーリー・ドゥーカス研究員の3名が亡くなった。また10数名の重軽傷者が出た。アメリカ・ドームは亡くなった3名の研究者に深い哀悼の意を示すと共に、地球人類復活に生命を捧げてくれた彼等に感謝し、本日午後3時遺体を宇宙に帰す。ドーマーの見送りは禁じないが送迎フロアのみに場所を限定する。見送れない人も彼等の冥福を祈ってくれるようお願いする。また、負傷した人々の一日も早い回復を祈る。
どこにもテロや犯罪を連想させる言葉は書かれていなかった。実際、まだ事故の真相はわかっていないのだ。
ケンウッドはヴェルティエンに頷いて見せ、自らの署名を入れた。ヴェルティエンはそれをドーマー達の端末に一斉送信した。
カレン・ドナヒュー軍曹は大人しく座っていた。もっとも何もしていないのではなく、彼女自身の端末に報告書を入れていた。恐らく負傷者の容体とドーム内部の様子を書いているのだろう。